ちがさき市民オンブズマンを語るときに、本間 弘彦さんを忘れるわけにいきません。

 

 

現在、ちがさき市民オンブズマンの会長である本間さんのことを、皆さまにもぜひ知って頂けたらと思います。

 

かながわ市民オンブズマン

 

 本間さんは、1997年、かながわ市民オンブズマン(横浜)の立ち上げに参加して、着実に成果を積み上げてきました。かながわ市民オンブズマン設立のきっかけは、神奈川県下6市の下水道談合事件です。その訴訟打ち合わせの中で気運が高まり、1997年(平成9年)3月1日、開港記念会館に県下の市町村から約250人が参加し、かながわ市民オンブズマンが正式に発足しました。

 

 全国市民オンブズマン大会を横浜で開催したり、発足以来、全国的に広がっていった活動も多々あります。

 

 本間さんが印象に残るものとしているのは、下水道談合事件の住民監査請求や、神奈川県と横浜市の情報公開条例の見直し(コピー代30円を10円に)、

県議会での傍聴権の侵害、県議会議員の政務調査費の公開請求訴訟などです。

 

 

茅ヶ崎で補助金を情報公開

 

 本間さんが茅ヶ崎市で行政の監視活動を始めたのは1988年、情報公開で補助金の要綱の公開を求めたのが始まりといいます。(茅ヶ崎市ではその2年前の1986年に情報公開制度が施行。)

 

 茅ヶ崎市在住の著名なジャーナリスト原寿雄さん。原さんが小和田次郎のペンネームで書いた「デスク日記」は、池上彰さんが「僕の教科書だった」とコメントしています。原さんも報道関係者のなかで早くから情報公開に関心を持ち、神奈川県の情報公開審査を14年もつとめました。

 

 原さんは1992年から8年間、茅ヶ崎市の代表監査委員もつとめ、補助金を徹底的にチェック。その報告書は日本の自治体として初の補助金白書となり、前例を打破した補助金の監査は新聞各紙も報道。「やる気になればここまでできるー茅ヶ崎市監査の実践例」というレポートにもなりました。

 

 

遅れている茅ヶ崎市の監査

 

 しかし、今現在の茅ヶ崎市の監査は、残念なことに原さんの時代からずっと後退しています。

 

「自治体の監査委員は会計監査だけではなしに、必要と判断すれば行政監査も随時できる権限を与えられている。金のことだけでなく、日常の役所の仕事についても改革を要請できる。」

 

「監査委員はやる気になれば首長と対等な地方行政のオンブズマンになれる。そのことが住民にも社会全般にもあまり知られていない」

 

(原寿雄『ジャーナリズムに生きて』より)

 

現在、茅ケ崎市の監査が遅れていることは明白です。

 

 監査委員が、行政監査もできるのはすでに当たり前。平塚市などは役所の仕事のやり方にまで言及し改善を要求しています。しかし、これは監査事務局の職員になった人が、自分たちは独立機関の職員になった意識があればこそ。でも、茅ヶ崎市では、監査に異動する職員にそんな意識がないのです。 

 

 

再び発足「ちがさき市民オンブズマン」

 

 他市では当たり前のことが、当たり前ではない茅ヶ崎市。

 

 少しづつですが、具体的なことを変えていきたい思いで、再び本間さんを中心として2015年11月11日に、ちがさき市民オンブズマンが発足しました。

 

 本間さんはこう言っています。

 

 「地域でオンブズマン活動をするには構える必要はありません。これはと思うことを徹底して、自分のペースでやればよいのです。市民のためになることを前提に、自信を持って取り組むことです。市民から見て行政の無駄遣いは真砂の数ほどあります。」

 

 「まず、自分が住んでいる自治体の情報公開を求めたらどうでしょうか。行政の財務会計上の支出行為は予算を組んで、議会の議決が必要なのです。ですから、どこの部のどんなところに予算が付いているのか調べて、一人でもできることから始めてみましょう。」